A Sliver of Us

2026

何 南松によるコラージュ作品シリーズ「A Sliver of Us」。

A Sliver of Us, 2026

アクリル、ミクストメディア、木製パネル, 60.6 × 80.3 × 2.6 cm

人の心は、本当にそんなに違うのだろうか? 社会的な立場や外見を一枚ずつ剥がしていけば、 私たちの愛に対する感覚は、実はとてもよく似ている。 愛は親密な関係の中だけにあるのではない。 見知らぬ人同士のちょっとした助け合いや、心からの「ありがとう」にも宿っている。 私はその共通する感覚を、一つひとつのハートの形に抽象化した。 素材には、かつて誰かが身にまとい、手に取り、持ち歩いていた衣服や革のバッグを選んだ。 それらは人の身体に寄り添い、誰かの日常の一部だった。 柔らかなもの、なめらかなもの、ざらついたもの。縞模様や水玉模様、縫い目、小さな隙間のあるものもある。 それぞれ異なる人のように、各々の暮らしの痕跡をまとっている。 私はずっと、人と人との関係について考えている。 それらはどこか曖昧で、絶えず揺れ動き、形を変えていく。 私は一つひとつのハートの位置を意識して配置した—— 近づき、重なり、押し合いながらも、 互いの間には距離を残すように。 まるで自然に育ってきたかのように、 つながり合いながら、それぞれが存在する。 これらのハートを受け止める色として、銀色を選んだ。 この銀色は周囲の光によって、さまざまな輝きを見せる。 光は表面で拡散し、鮮明な像は映し出されない。 それは、人と人との関係にも似ている—— 私たちは互いのすべてを見通すことはできなくても、 相手が残したぬくもりや色彩を 感じることができる。 そして私の想像の中では、この銀色は画面の端で終わらない。 四方へ、どこまでも広がっていく。 無数のハートがその中で近づき、交差し、離れ、 また新しいつながりを生んでいく。 次に誰と出会うのかは、誰にもわからない。 私が切り取ったのは、この世界の、ある瞬間のほんの一片にすぎない。 「私たち」の、ほんの一片。